優秀作品(11)

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健

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2007年 4月30日更新


『1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記』(文学部)

(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
 実際に体験した本人の日記という事に魅かれたから。

(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
 どんな困難も考え方によっては小さな障害にすぎず、前向きに生きていく事が大切だということ、彼女も神様の使命と何度も言いきかせていたように。

(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
 実を言うと私はこの本を読みやすいだろうという理由だけで最初選んだ。しかし、本を読み終わる頃には、どんな理由で手にしたにしろ、やはり読んでよかったと思った。この本を読んでいると、自分の現代の悩みが本当にどうでもいいものに感じられた。もし今自分が亜也と同じ運命を背負うことになると考えたら本当に恐いし、自分ではたえられないと思う。本の中で何より感動、感心したのが、亜也の前向きさである。「前向きさ」でまとめれる精神の強さではない。彼女は徐々に自分の体をむしばんでいく病気と、最終的には目を背けず向き合った。まずその事がすごい、たぶん自分はこわくて泣くだけで人生自体をうらむと思う。それなのに彼女は今ある状況を自分の使命だと言い聞かせ(しかし、それでも毎日襲ってくる不安と闘い続けた。)自分のできる事をやった。そして、周囲の助けや支えに対して、誠意をもって感謝した。果たして自分がこの立場なら、このようなふるまいができるであろうか、私には少しも自身がない。しかし、本を読んで、自分の人生においての心向きがかわれば、どんな状況でも不可能ではないのではないかと思いはじめた。なんて自分は恵まれていたのだろうか。普通とは限らない事が普通となっていて、当たり前ではない事を周りにやってもらおうと望んでいた自分がいた。多分行動としては以前とあまり変わりないかもしれないが以前とは気持ちが多少なりとも違う。この本は「養護学校」「障害者」という響きをかえる力があると思う。重い内容のはずなのに、明るくつづっているこの日記が逆に辛く感じた一冊だった。


*****2006年度・優秀作品*****
冬休みの課題レポート・2006
教育活動
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