優秀作品(13)

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健

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2007年 4月30日更新


『1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記』(文学部)

(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
 発売された頃に本屋で見て買ったのですが、課題の本として出てきたときに内容がよく思い出せなかったので、もう一度しっかり読みなおしてみようと思い、この本にしました。

(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
 本になってはいますが、これは誰かに何かを伝えるために書かれたものではないと思います。亜也ちゃんが日々の出来事やその時の書き記した日記だったからこそ多くの人に感動や勇気を与えたのだと思います。

(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
 お母さんの言葉ですが、亜也ちゃんのように病気などで後天的に障害者になると、先天的に目や体が不自由な人と違って、過去のやれたことが頭から離れずに悩んでしまうというものがありました。私自身には先天的にも後天的にも今のところは異常がありませんが、いつ不自由な体になるか分かりません。
 脊髄小脳変性症という病気の大変なところは体の動きだけ自由がきかなくなっていくところだと思います。ますます過去にやれたことが今はできないということにやりきれない思いを感じることが多くなってしまうと思います。たまには「自分が目が見えなかったらどうだろう」、「耳が聞こえなかったらどうだろう」ということを考えてみることがありますが、目をつぶって何かをしょうとしてやっぱり無理だと感じます。今の私は目を開ければまた見えるようになるけど、これが見えないままになったら不安だし、悩みもすると思います。日記を書いたり、自分がどんなふうになっているのか、なっていくのか考える余裕もないかもしれません。
 本の中で主治医だった先生が病気について「まだ原因も治療法もわかっていない」と書かれていたので、今はどうなのだろうと思って調べてみました。脊髄小脳変性症というのはひとつの病気の総称だそうで、40%は遺伝性のものだそうです。分かれた病気の症状を見ていると、亜也ちゃんの病気はマシャド・ジョゼフ病というもののようでした。これは遺伝性のもので日本でも多くの人にみられるそうです。常染色体優性遺伝ということは、この原因遺伝子を1つでも持っていると発症するということですよね? 1万人に1人の割合が多いのか少ないのかよく分かりませんでした。ただ、遺伝子が関係しているということとその場所は分かってきているようなので、今後何らかの有効な治療法が発見されればいいなと思います。病気について調べてみて、安心したのは脊髄小脳変性症が特定疾患になっていたことです。
 友人の姉がかかっている病気(病名は聞いてませんが、ほとんどの場合20才頃までには亡くなるそうです。昔は歩いていましたが、だんだんと足が悪くなり今は車椅子で生活しているようです。治療法も確立しておらず、有効だと考えている手術も成功例がないと聞きました)は特定疾患に認定されておらず、今国に対して要求しているとのことでした。  わたしが知らないだけで世の中にはたくさんの病気があるし、多くの苦しんでいる人がいます。わたしは医者にはなれないし、遺伝子を見て何かをできるというわけでもありません。病気のことを知ったから何かをしないといけないというわけではありませんが、自分には何かできるだろうか(署名ぐらいしかできなさそうです)と考えさせられました。


*****2006年度・優秀作品*****
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