優秀作品(2)
熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
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2007年 5月 2日更新
『時間の分子生物学』(法学部)
(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
体内時計と遺伝子がどのように関わっているのか興味があった。
また、もともと人間の「睡眠」という活動に、高校時代あたりから感心を持っていた。
(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
普段あまり意識されることの無い「体内時計」だが、じつは少なくとも7億以上昔から遺伝子レベルで組み込まれる程、生存に必要とされてきた機能であり、その精巧なメカニズムは、現代の人間にも影響力を有するため、これを理解することは実生活でも大いに意義がある。
(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
高校時代にとある心理学関連の本を読んだことから「睡眠」に関心を持ち、その延長として本書を手に取った。
読んでみて、一番驚きだったのは「生物時計」いわゆる「体内時計」の精密さである。
これまで私は「体内時計」を「腹時計」の延長程度としか捉えておらず、その働きもあいまいで不正確なものに過ぎないと考えていたのだが、事実は大きく違っていた。まず生物は「体内時計」、すなわち「生物時計」による内的なリズムを前提とし、そこに太陽光など外的なリズムを取り込んで生命活動を営んでいるというのは、今までの私の「生命活動のリズム」に対する認識と全く逆の真相であり、私は衝撃を受けると同時に「命」のシステムにすっかり感心してしまった。そしてまた、こういった細やかなシステムを有すると共に「昼も夜も無い」ような世界を生きてゆかざるを得ない現代人は常に大きなストレスを負わねばならない運命にあることをあらためて思い知らされ、少々複雑な気分になった。
それにしても、未だに「睡眠」のメカニズムには不明な点が多いというのも不思議と言えば不思議である。特に人間の睡眠となると、人道的見地からも実験は難しいとのことで、はっきりとした回答の示されていない問いかけの何と多いことだろう。
果たして人間にとって「睡眠」とは何なのか?
以前読んだ文献に上れば、「睡眠不足が生死に直接結びつくことは無い」と書いてあったのだが、本書には「睡眠が不足すれば人は死ぬ」と推定されている。真実はいつ、明らかになるのだろう。
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