優秀作品(3)

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健

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2007年 5月20日更新


『時間の分子生物学』(薬学部)

(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
 新書なので、専門的な事の足掛りになると思ったから、また、高校の生物で聞いたことのある言葉だった。

(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
 体内時計は自動的に動き、光による調整を受ける。
 人の睡眠は“積極的に”行うものである。

(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
 私は睡眠とは単に体を(脳を含めて)休めるだけなので、覚せいのスイッチをOFFにすればいいだろうと考えていました。けれど、実際には体内時計との関り合いを通じて、複雑なメカニズムを動かして初めて訪れるものだと知り驚きました。私は今まで体内時計というものは一つのおおきなそれを形成する組織があってそれを構成しているものが個々の神経細胞だと思っていたのですが、実は神経細胞一つ一つが体内時計であったことがわかりました。このことから私が考えたことは、もし体内時計が神経細胞を部品とする一つの組織であったなら、部品が一つでもおかしくなれば、歯車がかみ合わなくなったかのように全体に異常をきたす可能性があるので、一つ一つが体内時計として機能する方がリスクが少なくてよいということです。
 次に私が興味を持ったのは時間治療に関する部分でした。普段何気なくCMで昼間用、夜用などと記された化粧品を見ていたのですが、それらは活動や活動量や活動場所の違いだけでなく、体内のリズムに合わせた理にかなったものだったのです。このことは将来進む薬学の分野にも応用出来る領域であり、これからもまだまだ研究されるべきものであるのでこれからが楽しみです。そしてまた、睡眠に関する遺伝子がハエとヒトではほとんど同じということにも驚きました。ハエとヒトという似ても似つかないような二つの種の遺伝子が同じであることは衝撃でした。本文に書いてあるように、ハエとヒトが別れる前から使われている睡眠遺伝子が有用であるということでしょうが、それではどの程度の生物とヒトは睡眠遺伝子が同じなのでしょうか? 動物では細菌がヒトと最もかけ離れていると思いますが、彼らの中には光刺激に反応するものもいるので、光受容体は持っているでしょう。その信号から更に高度な反応を起こせるものはいるのでしょうか。また、植物に睡眠はあるのでしょうか。暗期の長さが開花や発芽に影響することは分かっていますが、成長した植物が日常生活の中で、
・光合成をしない
・季節の変化を読み取る以外に昼間で異なる点があるのか
など、疑問に思います。


*****2006年度・優秀作品*****
冬休みの課題レポート・2006
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