優秀作品(9)

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健

Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2007年 4月30日更新


『1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記』(教育学部)

(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
 ドラマなどで有名であったし、友人などから病名を聞いたがピンとこずに、この機会だから読んでみようと思った。

(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
 「何のために生きているのか?」
 そして、それを考えていく過程で著者がどのように感じどのように考えたのかが訴えられている気がする。

(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
 初めに、この本を読んで世界の見え方が変わったことに自分でも気づきました。この本の表紙の裏にも数々のコメントがのせられていますが、この本はまさに多くの人の生き方を変える本に違いありません。僕も読みながら、母である木藤潮香さん、主治医の山本先生の行動や態度などに強く感動しました。特に時折見せる強い母の態度や言動には僕らにも伝わってくるものがありました。「人は皆苦労を一つ二つ持っている。自分を不幸だと思ってはいけない。耐えて耐えて生きてゆかなければならないんだよ。」なんて強い、なんてすごい言葉なんだろう。果たして僕はもし病気の友人や家族がいたらこの言葉が言えるほど強いだろうか? この言葉がもし患者の僕に言われたら耐えられるだろうか? そんなことを考えてしまいます。そのお母さんが、娘がもう歩くことができないと言い、トイレまではって行く娘を見て、自分もその後をはっていったというくだりを読んだときには何故か息がつまりました。
 「私が死ぬ時はいっしょにこの子もつれて行きます。」娘のつらさが分かるから、こんなすごいことが言えるのだ。そしてその娘の努力を見事なまでに汲みとっていた母の姿、そんな姿を見ているとなんとかしてあげたいという思いになります。先日もテレビで、ミトコンドリア病という今でもまだ治療法が確立していない病気があるようで、中学生までは生きられない、と医師から宣告されたそうです。しかし、その子は毎日山のような薬を飲まなければならないにもかかわらず、元気に走り、保育園に行っています。その子の父が作家で次のように書いていました。「この子が将来、小学生になり、中学生になり、高校生になる姿が想像できる。それは想像にすぎないが、今想像できる現在があり、今現実になりつつあるのだから。」
 遺伝病の研究がさらに進んで一人でも多くの命を救えたらどんなにお金がかかってもそれは未来につながり多くの命を救えるのだと確信しています。


*****2006年度・優秀作品*****
冬休みの課題レポート・2006
教育活動
 MASA Home Page


  遺伝子実験施設ホームページ
熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設,
E-mail: www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp