2004年度 教養科目
I 自然と情報  生命科学G
−−夢の技術PCR−−

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2005年 7月18日


2004年度期末テスト

[回答集]
<問1について>

(問1)66歳の女性は、健康な男女から精子と卵子の提供を受けて体外受精を行い、妊娠しました。つまり、一般的には「代理母」と呼ばれるケースであり、遺伝学的には親子関係とは認められません。(A)のニュースを聞いて、あなたはどう思いますか?。

・高齢出産といっても、超高齢出産なので、子供だけでなく、母親にも大きなリスクがかかっていたんだと思います。そこまでして、何故子供を産もうとしたのでしょうか?
 この人の人生に少し興味が湧きました。子供って通常3kgで生まれて来ますが、この女児は1.4kgで生まれてきました。大体約何kgに達したら、生まれてきても将来生きていくことが出来るんでしょうか?(医学部)

・確かに遺伝学的には生まれた子供はこの女性とは何のつながりもなく親子とは呼べないかも知れません。しかし、私は"人格"つまりその人をその人たらしめる考え方や知識は遺伝によってもたらされるものではなく、その育ての親からどんなことを学び、また自らもどんなことを見聞きしてきたかによって決まるものであって、決して遺伝子がその人を作り上げるとは考えていません。だから、遺伝的には親子と呼べなくとも、この母親がこの子を育てるために十分な愛を注ぎ、しっかり面倒をみるなら、十分に親子だと言えると思います。(医学部)

・養子という親子の形もあるのでそれよりは苦労して自分が産んだぶん愛情を持って育てられるでしょうし全然構わないとおもいます。実際その子の人生は血がつながってようがいまいがどちらでも一緒だと思うし、そういウ事実も受け入れられる範囲だと思います。あとは66歳という高齢で子供が育てられるかということですが、特に問題はないと思います。その方が子育てに意欲的な方であるならば。(医学部)

・私はこの女性が何のために子供を産んだのかが分かりません。この年になってまで、産んだ理由として、ギネスに載りたかっただけではないかと正直思います。もし、それまでにギネスブックを調べていたらその可能性が高いと思います。そして、まったくの他人である子供をこれからちゃんと育てていくのかという疑問も残ります。「産んだから後はどうでもいい。」と思いそうだし、だいたい66才で産んだら、生活資金はどうするのかとも思います。子供にとっても、母は何で私を産んだのかと疑問を持つはずです。しかし、初産なのでもしかしたらどうしても欲しかったのかも知れません。しかし、だったらもっと若いうちにやればと少し思いました。(理学部)

・養子という制度がある。実子が生まれない夫婦が血の繋がりのない、または親戚の子供をもらい育てるというパターンがあり、(A)のニュースはそれと社会的な親子関係としては変わりない。ただアドリアナ・イエスクさん(66)が自分のお腹を傷め、出産したことで親子の絆は深まったと思う。今後、新たな養子形態として「代理母」が採用されることも増えていくかもしれない。(医学部)

・この女性は「一度出産を経験してみたい」と思ったのか、「世界最高齢出産に挑戦してみたい」と思ったのか、育てるならば自分で産んだ方が愛情がもてる」と思ったのか…、色々と考えられますが、私は正直なところ「養子をもらえばよいのに…」と思ってしまいました。しかし、66歳という高齢でも胎児が発生していく環境が出来るのだなぁ、と驚きました。妊娠を試みたこの女性も凄いですがそれを実現させた現代医療の進歩も凄いと思いました。(理学部)

・確かにこの66歳の女性と産まれてきた子供は、遺伝学的には親子ではありませんが、私はそれは問題にはならないと思います。遺伝学的に親子ではなくても、母親はそんなことを気にせずに育てていくだろうし、子供にとってもその人が母親であると思うだろうから。遺伝学とは関係なく2人は親子であると思います。(医学部)

・出産という行為は母体にも大きな負担をかけます。子供が欲しいという気持ちはわかりますが、少々無理をしすぎたのではと感じました。もし、この女性にもしものことがあったら、病院に何らかの責任が問われてもおかしくないでしょう。また、この女児マリアの成長を見届けるまで母親が元気でいられないことは目に見えてます。産まれてくる子供のことを本当に思っているのであればこのような行動はできないと思います。(理学部)

・最初に思ったのは、この女性はなぜ体外受精を行なってまで子供を持とうと思ったのでしょうか。たしかに子供が欲しかったのかもしれないが、66歳で産んでどうするつもりなのだろうか。子供が成人するころには86歳、生きているかどうかも定かではない。もし、子供が幼いうちにその女性が亡くなったら、ひきとってくれる親類などのあては少ないだろうし、(夫もおらず兄弟もそうとうな歳だろうから)その子供はやはり孤児院などに行くことになるだろう。それに父親は最初からいない、当然兄弟もいない、そのような環境は子供にかわいそうだと思う。子供は自分が産まれてくる環境を選べないのだからその点を良くふまえた上での決断だったのだろうか。大学教授という肩書きにしてはあまりにもあさはかな行為であったとしか思えない。(工学部)

・確かに遺伝子的には親子関係は認められませんが、本人が出産し、育てていくことは確かです。養子とほぼ同じだと思うのですが、それと違うのが、自身で腹を痛めて産んだ子であるということと、実の親が誰なのか分かるかどうかはっきりしないということでしょうか。育ての親を自分の親だと考えるかどうかは子供が決めることであり、私達が勝手に判断していいことではありませんが、母子ともに問題が起きなければそれでいいと考えます。(医学部)

・一言で述べられることではないが、別に悪いことではないように思う。むしろ問題はこれからのことで、体外受精の技術とか、高齢においての出産という事実が問題ではない。彼女が出産することを決意した精神は見上げたものだとは思うが、新しく産まれた生命に対して、この先どれだけ彼女が責任というものを果たせるかだ。そういう人間的な問題の方がむしろ重要な気がする。女児の自立した精神が形成されるまで、彼女はできるかぎりのことをするのだろうが、その時まで、生きていられるかどうかもわからない。その点をふまえて、子供を育てていって欲しいと思う。(医学部)

・66歳になっても、自分のお腹からの子供が欲しいという気持ちはいかにも偉大であると思います。遺伝学的には親子関係と認められませんが同じ遺伝子を持っていなくても夢をか叶えるだけで、体外受精を納得できると思います。(文学部)

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[問題]
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<問2について>
<問3について>
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