2002年度 教養科目
I 自然と情報  生命科学G
−−夢の技術PCR−−

熊本大学・遺伝子実験施設
  助教授  荒木 正健
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2003年 2月23日更新


2002年度期末テスト

[問 題]

[回 答 ; 全24人]
<反対;6人>
<臓器の印刷は賛成だが人間の印刷は反対;14人>
<賛成;1人>
<どちらとも言えない;3人>

[回答集]
<賛成>(21)


回 答 21(工学部)
(1−A)
 米国のアイデアを日本が製品化、という形式では、どうしても米国のほうが優位に立っています。米国では、研究特許にしても、特許を申請してから特許取得できるまでの期間も日本よりはるかに短く、アイデアが生きやすいからなのかもしれません。例のような人体を印刷するというアイデアが良いか悪いかは別として、多くの突飛なアイデアがせめぎあい、研究しあう方がよりよい技術、研究に繋がると思いました。細胞を培養、臓器の作成という新しい可能性を秘めているという点で評価することも大切でしょう。

(1−B)
これにおいては以下のようなメリット・デメリットが考えられます。
<メリット>
 ・臓器移植の拒絶反応が起こらない。
 ・ドナーを待たず移植できるので今よりも移植できる可能性が高くなる。
 ・この研究により、機械により大量生産できるようになれば、コストが抑えられる。
 ・倫理的にも他の技術より問題点は少ない。
 ・ES細胞を必要とせず、量産しやすい。
<デメリット>
 ・印刷する段階での精度が必要であり、技術的に、しばらくはコストがかかりすぎる。
 ・実用化され、かなり安く使用できるようになれば、人工増加の一因となりうる。
 ・上記のと同様でより高齢化社会になる。
 ・法の整備がしっかりと行われていないと犯罪が多く起こる。
 私の意見は賛成です。
現在の日本では臓器移植を行うには不自由であるため、多くの移植希望者は米国にて手術を行っています。臓器を印刷する技術が実現化されれば現在の医療は大きく変化します。パーツ単位の人工生産であり、新しいパーツは本当に自分のものであるのか、と疑問ですが、現在の臓器移植にしても、人工血管などにしても、自分のものである必要はなく、実際、移植された人にしてみれば助かる方、つまり生きることの方が大切なのです。デメリットとして考えられる点は、すべて今使用されている技術の多くが直面してきた医療問題なので、時とともに解決されていくと思います。ただ「臓器を印刷する技術」という名前は不安ですよね。

(1−C)
 何のために人体を印刷する必要があり、どうして生殖が不必要だと思うのですか? すばらしいアイデアであることは分かるのですが、この点については疑問を感じましたので教えて下さい。

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[問 題]

[回 答 ; 全24人]
<反対;6人>
<臓器の印刷は賛成だが人間の印刷は反対;14人>
<賛成;1人>
<どちらとも言えない;3人>


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