『光音響画像のin vivoイメージング技術における位置づけ』
防衛医科大学校 医用工学講座 教授
石原 美弥
光音響イメージングは光音響分光法(Photoacoustic Spectroscopy; PAS)の原理に基づき、生体への光照射により光を吸収した物質(光吸収体)で音響波が発生する現象を利用する。音響波を検出すれば、音響波を発生した光吸収体の空間的な位置を特定できる。これが光音響イメージングの原理である。生体の散乱係数が光と比較して3桁程度小さい超音波を検出信号とすることで、生体透過性が向上する利点があり、光イメージング技術の中では、より深部まで可視化できる特徴がある。
一方で、上記の原理を満たせば、どのような装置でも光音響イメージングと総称し、実際は、顕微鏡タイプから、ヒトを取り囲むガントリータイプ、カテーテルタイプなど、様々な装置形態が在る。
本講演では、基礎と臨床をつなぐin vivoイメージングとしての光音響画像化技術にフォーカスする。時空間な4次元空間で光音響画像、光音響信号が医学・生命科学の分野でどのような役割を果たせるのか、他のin vivoイメージングと比してどのような位置付けになるのかをディスカッションしたい。