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大口裕人

ヒストン修飾酵素を介する多発性骨髄腫細胞増殖分子基盤
熊本大学 生命資源研究支援センター 
  疾患エピゲノム制御分野 准教授 大口 裕人

メチル化、アセチル化をはじめとするヒストン翻訳後修飾はクロマチン構造、機能制御に重要な役割を果たしている。正常細胞においては、これら修飾は修飾を付加する酵素writer及び除去する酵素eraserのバランスにより厳密に制御されているが、最近の研究でこれら修飾酵素の異常が発がんやがん進展に関わることが明らかにされている。多発性骨髄腫は、B細胞の最終分化段階である形質細胞ががん化した造血器悪性腫瘍であるが、このがん種においてもヒストンメチル化制御異常と病態との関与が報告されている。我々は多発性骨髄腫において、ヒストン修飾酵素のうち十文字ドメイン含有ヒストン脱メチル化酵素の機能解析を進めてきた。そして、骨髄腫細胞においてヒストン脱メチル化酵素KDM3A、KDM6Bが骨髄微小環境からの刺激で誘導され、異常転写ネットワーク形成に寄与していることを突き止め、治療標的となる可能性を見出した。本シンポジウムではヒストン脱メチル化酵素を介する骨髄腫細胞生存増殖分子基盤を最新の研究結果も含め紹介する。

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