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遺伝子組換え生物等規制法について・Part23 

*GTC On Line News No.924 (2008年8月6日)で配信した内容です*

=== 遺伝子組換え生物等規制法について・Part23 ===
〜〜〜 遺伝子組換え生物の不適切な使用について 〜〜〜
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平成20年3月、神戸大学において遺伝子組換え大腸菌等の不適切な使用が報道されました。この件に関して、文部科学省の報道発表(平成20年6月20日)がホームページに掲載されていましたのでお知らせします。

=== 神戸大学より提出された経緯、原因及び再発防止策の概要 ===
1.経緯
当省よりの連絡を受け、平成20年3月18日及び21日、遺伝子組換え実験安全委員会委員等により、関係する研究室に対する実地調査を行った。その後、28日には安全委員会を開催し、安全委員会として本格的な調査を開始することとし、当該研究室大学院生等への聞き取り調査を行うとともに、研究室内実験台や医学研究科構内の下水における遺伝子組換え大腸菌及び同分裂酵母の残存 の有無を確認する同定検査を実施。
一連の調査の結果、当該研究室では、過去6年にわたり、廊下に設置した培養器内で遺伝子組換え大腸菌及び同分裂酵母を培養していたこと、これらを含む寒天培地や培養液を不活化処理せずに廃棄していたことが判明した。

2.原因
(1)実験責任者の遺伝子組換え大腸菌等は人体への病害性がないものであるという確信によって、生物多様性の確保という法の趣旨に対する理解が不十分であった。
(2)大学院生等の実験従事者に対する適切な指導・監督を実験責任者が怠ったため、遺伝子組換え大腸菌等を不活化処理しないまま廃棄する等不適切な使用が常態化した。

3.再発防止策
(1)法令等の周知及び実験責任者・従事者の教育・訓練並びに安全・科学技術倫理等の徹底を図るため、安全講習会等を定期的に実施する。
(2)実験施設等の点検、執られている拡散防止措置の検証等を定期的に実施し、遺伝子組換え生物の不適切な使用が常態化することを防止するシステムの 確立を図る。
(3)バイオ実験に係わる安全性を統括管理することを目的とするバイオセーフティ統括管理委員会を外部委員を加えて設置し、法令遵守の状況を専門的観点から調査・検討するとともに、大学の自主的な取組みにより社会の信頼を深めて行くという考え方(レスポンス・ケア)の周知・徹底を図る。

なお、神戸大学の他に、東北大学、日本大学、近畿大学も同時に厳重注意を受けています。内容を転記します。

東北大学 (実施期間:平成16年2月〜平成20年1月)
<使用した遺伝子組換え生物>
・アデノウイルス、狂犬病ウイルス、HIV、シンドビスウイルス、マウスレトロウイルス
<経緯>
・大臣確認を要する実験を、確認を受けずに実施した。
・実験終了後、保管にあたって必要な拡散防止措置(表示)を執っていなかった。
・実験室入口への「P2レベル実験中」の表示をせずに実験を実施した。
<原因>
・実験責任者等の法令に対する理解不足。
・管理体制の不備。
・安全委員会の審査体制の不備及び指導不足。
<再発防止策>
・法令等の周知のための教育・訓練の徹底。
・指導教官等への遺伝子組換え実験に対する意識づけの強化。
・機関における管理体制の強化。
・実験計画の審査体制の強化。

日本大学 (実施期間:平成16年12月〜平成17年11月)
<使用した遺伝子組換え生物>
・ワクシニアウイルス
<経緯>
・大臣確認を要する実験を、確認を受けずに実施した。発覚時、既に実験は終了しており、その後、保管していた遺伝子組換え生物を直ちに廃棄。
<原因>
・実験責任者等の法令に対する理解が不十分。
・実験責任者等に対する教育、監督・指導不足。
<再発防止策>
・法令等の周知のための教育・訓練の徹底。
・機関における管理体制の強化。
・実験計画の審査体制の強化。

近畿大学 (実施期間:平成20年3月)
<使用した遺伝子組換え生物>
・マウス
<経緯>
・法令に基づく適切な拡散防止措置を執らずに実験を実施。発覚時、既に実験は終了しており、逃亡等は無かったことを確認。
<原因>
・実験責任者の遵法意識の欠如、法令に対する理解が不十分。
・不十分な学内チェック体制。
<再発防止策>
・法令の趣旨等周知のための教育・訓練の徹底。
・安全管理規定を改正し、取るべき対応を明確化。
・機関における管理体制の強化。
・実験実施のための手続きの厳格化。

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