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遺伝子組換え生物等規制法について・Part28 

*GTC On Line News No.1245 (2012年6月6日)で配信した内容です*

=== 遺伝子組換え生物等規制法について・Part28 ===
〜〜〜 バキュロウイルス由来の試薬について 〜〜〜
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文部科学省は、平成24年4月27日付けの報道発表で、協和発酵キリン株式会社生産本部バイオ生産技術研究所(群馬県高崎市)において、遺伝子組換え生物の不適切な使用があり、厳重注意したことを記載していました。

1.経緯
本年4月12日、協和発酵キリン株式会社生産本部バイオ生産技術研究所より文部科学省に対し、遺伝子組換えウイルスを含む可能性を否定できない試薬に接触させた実験器具を不活化処理しないまま、廃棄していたことが判明したとの連絡があった。文部科学省としては、4月13日に現地調査を実施するとともに、同研究所に対して、原因究明と再発防止策を講じることを指導した。

2.協和発酵キリン株式会社からの報告の概要
その後、同社から改めて報告があった本件に関する事実関係及び再発防止対策は、以下のとおり。

(1)事実関係等
(1) 本年4月11日、同研究所において、遺伝子組換えバキュロウイルス由来の試薬を使用した実験等に使用した実験器具を不活化処理せずに廃棄していたことが確認された。

(2) 同研究所が調査を行った結果、平成21年3月から平成24年3月までの間に行った遺伝子組換えバキュロウイルス※由来の試薬を使用した実験等において、実験従事者の認識が不十分であったため、実験器具を不活化処理せずに廃棄するなど、不適切な取扱いが行われていたことが判明した。

※ 当該遺伝子組換えバキュロウイルスは、哺乳動物等に対する病原性等はなく、P1レベルの拡散防止措置(閉鎖環境の中で遺伝子組換え微生物を扱う際の拡散防止措置として、必要な措置が最も簡易なもの。)で取扱い可能。

(3) 廃棄された実験器具は、密封した状態で委託先の廃棄物処理業者が回収し、焼却・高温処理等が行われていたことから、当該ウイルスの外部への拡散はないものと考えられる。

(2)原因
実験等で用いた試薬に遺伝子組換えウイルスが残存する可能性があることについて、実験従事者の認識が不十分であったことによるもの。

(3)再発防止策
(1) 研究所の従業員に対して、カルタヘナ法及び社内規則に関する教育を実施。
(2) 遺伝子組換えバキュロウイルスが含まれる可能性がある試薬を使用する際は、遺伝子組換え実験として実施するよう、社内規則を改定。
(3) 遺伝子組換え生物を含む、または含む可能性のある試薬の使用後の不活化処理及びその確認を徹底。

3 . 報告に対する当省としての考え方
遺伝子組換えバキュロウイルスによる生物多様性への影響等の可能性はないと考えられるが、法令に基づきP1レベルの拡散防止措置が必要であるウイルスが残存する可能性を認識せずに実験器具の廃棄などが行われていたことは不適切であった。

以上、遺伝子組換えバキュロウイルス由来の試薬を使用する場合は、P1レベルの拡散防止措置が必要です。いろんな測定キットで使用されている事がありますので注意して下さい。よろしくお願い致します。

遺伝子組換え実験に関する情報

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