Gene Technology Center

202205Kamei

研究発表を行った学会;オリジナルデータ
タイトル; 気道上皮に発現するPIRINは、インフルエンザウイルス感染時の免疫応答を負に制御する.
発表者;亀井 竣輔氏
(熊本大学 生命資源研究・支援センター 分子血管制御分野)
要旨;
気道上皮は外気の通り道であり、病原体の侵入から生体を保護する重要な器官である。我々は、鉄結合タンパク質PIRINが気道上皮に特異的に発現することを見出し、その発現がA型インフルエンザウイルス (IAV) 感染によって強く減少することを明らかにした。この知見を踏まえて、PIRINを欠損した気道上皮細胞 (BEAS-2B) およびマウスを作製し、IAV感染を行ったところ、PIRIN欠損がI型インターフェロン (IFN) の産生を増大し、ウイルスの早期排除や炎症の抑制、生存率の改善を示した。また、このメカニズム探索として、PIRINの相互作用因子のインタラクト―ム解析を行い、PIRIN結合タンパク質として新規にADAR1を同定した。PIRINはこのADAR1の活性を正に制御することにより、RIG-I/MAVS/IRF3シグナルを抑制し、最終的にIFN産生を負に制御することも明らかにした。本研究は、IAV感染時の気道上皮の免疫機構の一端を明らかにするとともに、他の呼吸器ウイルスにも共通した新たな抗ウイルス薬開発の一助となると考える。

アクティブボード

PAGETOP
Copyright © GTC All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.