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201912Soga

研究発表を行った学会;第18回日本再生医療学会総会
2019年 3月21日〜23日(神戸市)
タイトル; ニーマンピック病C型患者由来iPS細胞を用いて発見した新規治療薬候補物質の有効性の評価.
発表者;曽我 美南氏
(熊本大学 発生医学研究所 幹細胞誘導分野)
要旨;
【緒言】ニーマンピック病C型(NPC)は、遊離型コレステロールや脂質がライソゾーム内に蓄積し、肝・脾腫大と神経症状を特徴とするライソゾーム病である。私たちはNPC患者由来のiPS細胞を樹立して疾患モデルを作製し、それを用いて新規治療薬候補物質2-hydroxypropyl-γ-cyclodextrin (HPGCD)を見出した。HPGCDのNPCモデルマウスへの皮下投与は、肝障害を改善し生存期間を有意に延長させる。欧米で治験が行われている2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin (HPBCD)は有効ではあるものの、肺障害や聴覚障害などの副作用を生じることが問題となっている。HPGCDの神経障害への有効な投与方法の開発と、HPBCDと比較しての有効性の評価は、将来患者の治療薬としてHPGCDを起用するために重要である。
【目的】本研究では、モデルマウスの神経障害に対して脳室内投与を行い皮下投与との効果を比較するとともに、HPGCDとHPBCDの有効性の比較評価を行うことを目的とする。
【方法】HPGCDとHPBCDの治療薬としての有効性を評価するために、脳室内投与による神経障害に対する効果、生存期間への影響について病理解析も含めて検討した。
【結果と考察】HPGCDとHPBCDの脳室内投与は、皮下投与と比較して顕著にモデルマウスの生存期間を延長し、神経障害の発症を遅延した。また、HPGCDとHPBCDの効果は同程度であった。以上より、HPGCDはHPBCDの代わりとなり得る効果的なNPCの治療薬候補物質であることが示唆された。

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