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201812Hara

研究発表を行った学会;第2回 バイオサーモロジーワークショップ
2017年12月25日〜26日(東京)
タイトル; 高温による雄化誘導機構の解明.
発表者;原 誠二氏
(熊本大学 大学院自然科学研究科 北野研究室)
要旨;
 多くの脊椎動物は精巣をもつ個体と卵巣をもつ個体が別々に存在する雌雄異体であり、生殖腺が精巣になるか卵巣になるか(性決定)は、一般的には受精時の性染色体の組合わせによって決定される。メダカ(Oryzias latipes)は哺乳類と同じくXX(メス)/ XY(オス)性決定システムをもつ魚類であり、Y染色体上に位置する性決定遺伝子DMYが同定されるなど、古くから性決定に関する研究が盛んに行われてきた。ところが興味深いことに、XX個体は高温条件下でコルチゾル(ストレスホルモン)の上昇によって雄化することが知られている。本研究では雄化の詳細な機構を解明するために、高温飼育時の性分化期に生殖腺での発現が上昇するgsdf遺伝子(gonadal soma-derived growth factor)の機能を解析した。遺伝子ノックアウト(KO)技術によりgsdf KO個体を作製し、その表現型を調べた結果、孵化時期の生殖細胞数と成魚期の性においてgsdf KO個体にはコルチゾルによる雄化の影響が確認されなかった。そのため、高温による雄化誘導にはgsdfが必須であると示唆された。

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