Gene Technology Center

201904Ono

研究発表を行った学会;オリジナルデータ
タイトル; 筋サテライト細胞の不均一性・階層性の分子基盤解明.
発表者;小野 悠介氏
(熊本大学 発生医学研究所 筋発生再生分野)
要旨;
 本研究では,筋ジストロフィーやサルコペニアなどの筋脆弱症に対する再生医療への応用が期待されている骨格筋幹細胞(サテライト細胞)に着目し,サテライト細胞に存在する不均一性・階層性の分子基盤を解明することで,将来,効率的な筋再生治療法開発に応用することを目指す。マウス骨格筋由来サテライト細胞のsingle cell RNA-seq解析およびsiRNAによる機能スクリーニングにより,ステムネスに関連する可能性のある遺伝子を複数同定した。一方,筋脆弱症における病態出現部位は全身を通して一様ではないが,そのメカニズムについては不明である。骨格筋の部位特異的遺伝子の探索研究から同定したHox遺伝子群について,発現が確認されたものについては個々に機能解析を行った。さらに,サテライト細胞特異的Hox遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスを用いた解析を行った。その結果,骨格筋における部位特異性の一部をHox遺伝子群の発現分布の違いで説明できる可能性が示唆された。ヒト骨格筋から単離したサテライト細胞においてもマウスと同様の結果が得られたことから,骨格筋の部位特異性においてヒトとマウスの共通性が示された。以上の結果から,サテライト細胞における不均一性・階層性の分子基盤の一端が明らかになった。今後,同定した階層性に関連する遺伝子について個体レベルでの機能解析に着手するとともに,筋脆弱症における病態出現部位とHox遺伝子群の関連性についても詳細に調べる予定である。

アクティブボード

PAGETOP
Copyright © GTC All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.