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202205Nomura

研究発表を行った学会;オリジナルデータ
タイトル; SIVmac239感染アカゲザルエイズモデルにおける組織リザーバー解析.
発表者;野村 拓志氏
(熊本大学 ヒトレトロウイルス学共同研究センター ウイルス病態学分野)
要旨;
HIVは感染細胞の染色体内にプロウイルスとして長期間存在し、潜伏感染細胞は抗レトロウイルス薬治療中断後のウイルス再出現の起源となり体内から完全には排除できない。HIVの完全な排除には薬剤だけでは不十分で、CTLを有効に惹起する必要があるとの議論がなされており、動物モデルを用いた潜伏細胞を含む組織・細胞分画の解析とともに、ウイルス特異的CTL反応と体内ウイルス排除の機構の詳細な解析が必要である。MHC-Iハプロタイプ90-120-Ia共有アカゲザルは病態進行の差異を識別できる唯一のCTL依存的な長期複製制御動物モデルであり(PLoS Pathog 11:e1005247, 2015)、潜伏感染細胞を含む組織・細胞分画の検討に適する。Gag241-249エピトープ特異的CTL誘導型予防エイズワクチン投与群のSIV感染後の解析により複製制御に寄与するワクチン誘導SIV特異的CD8陽性T細胞を明らかとし、長期複製制御維持に必要なCTL反応の性質を示した。また複製制御個体において複数の組織の解析を行いCTL依存的な複製制御下における免疫誘導動態を描出した。これらは長期複製制御維持に必要なCTL反応の性質を示唆するとともに、機能的な潜伏感染細胞の同定に寄与する知見である。

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