Gene Technology Center

202401Abe

研究発表を行った学会;第46回日本分子生物学会年会
2023年12月6日〜8日(神戸市)
タイトル; 減数分裂における性染色体特異的なDNA損傷応答とその生物学的意義.
発表者;阿部 洋典氏
(熊本大学 発生医学研究所 染色体制御分野)
要旨;
減数分裂ではプログラムされた DNA 二重鎖切断を起点とした相同組換えにより相同染色体が対合する。さらにオスでは減数分裂のある時期を境に XY 染色体を覆う巨大な DNA 損傷応答ドメインが形成され、そのシグナル下流で染色体ワイドな遺伝子発現の抑制が誘導される (性染色体不活化)。性染色体不活化は減数第一分裂前期を通じて1 週間以上継続するが、性染色体不活化の分子メカニズムやその生物学的意義には不明な点が多く残されていた。これらの問いに対し、我々はマウス遺伝学モデルとプライマリー細胞の培養系を用いて、活性化された DNA 損傷応答シグナルが性染色体上の遺伝子の長期的な不活性化と性染色体を介した減数分裂のチェックポイント制御を直接機能することを見出した。DNA 損傷応答シグナルが阻害された場合にはすべての精母細胞においてアポトーシスが誘導されることから、XY 染色体上の DNA 損傷応答シグナルドメイン形成は正常なオス減数分裂の進行を監視するチェックポイントとして機能していることが示された。本研究により、オス減数分裂では XY 染色体上に DNA 損傷応答シグナルドメインを形成することが減数分裂を適切に進行させる上で重要であることが明らかとなった。

アクティブボード

PAGETOP
Copyright © GTC All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.